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動物別症例集 : エキゾチックアニマル 2ページ目
ウサギの子宮疾患
ウサギは非常に子宮疾患が多い動物で、5歳以上のメスのウサギの約60%が子宮疾患になると言われています。
その中でも子宮内膜増殖症や腺癌が多く、その他にも子宮蓄膿症や子宮水腫など様々な病態が認められます。
子宮腺癌では、対応が遅れると肺や肝臓へ転移し、亡くなってしまいます。
癌でなかったとしても、出血多量を起こして命に関わることもあります。
症状としては陰部からの出血で発見されることが多いですが、ウサギの尿は正常でも色素により赤くみえる場合があるため注意が必要です。
また、ウサギはあまり体調の変化を表に出さない動物なので、発見した時にはかなり病態が進んでしまっていることも珍しくありません。
子宮疾患は避妊手術で予防できます。
ウサギの麻酔はリスクが高いという話もありますが、前述のように、メスのウサギはそれ以上の高率で子宮疾患になります。
今はウサギの麻酔も進歩しており、麻酔を安全に行う専用の道具も開発されています。
健康な若いうちに、なるべく早期の避妊手術をオススメします。
ウサギの軟部組織肉腫
軟部組織肉腫は皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生する悪性腫瘍の一つです。発生部位は様々で、四肢・体幹・顔などです。この腫瘍は局所浸潤性が高く、転移は比較的低いと言われています。治療は外科的切除が一般的ですが、広範囲に切除しないと再発する可能性があります。その他の治療は抗がん剤や放射線治療などがあります。
フェレットの異物による腸閉塞
フェレットの消化器疾患ではよく見られる疾患です。
異物の種類は年齢により違いがあり、2歳以下の子は布、スポンジ、ゴムなどをよく飲み込んでしまいますが、中~高齢の子では自身の毛の塊(毛球)を詰まらせてしまうことが多いです。
重度の場合は嘔吐、流涎、下痢、体重減少等の症状がみられますが、初めの頃は元気消失、食欲不振などの非特異的症状で気付きにくいです。
基本的には画像診断(レントゲン、造影レントゲン、エコー検査)によって診断しますが、最終的には試験的な開腹手術で確定することもあります。
治療法としては開腹手術が行われ、胃や腸を切開して異物を摘出します。
フェレットのインスリノーマ
膵臓の腫瘍によってインスリンの過剰分泌が起こり低血糖となります。中~高年齢のフェレットによく見られます。フェレットの血糖値が70mg/dl以下の場合はインスリノーマ疑いとなります。
症状は、活動性の低下、腰のふらつき、よだれ、が初期に見られます。さらに起立不能、失禁、痙攣発作などの症状も発生する場合があります。
治療は原則的に内科療法です。血糖値上昇作用のある副腎皮質ホルモン製剤(プレドニゾロン)やジアゾキシドを使用します。