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動物別症例集 : エキゾチックアニマル 5ページ目
フクロモモンガの自咬症
何らかのストレスが原因で自分の体を自分で傷つけてしまうことを自咬症といいます。特に性成熟を迎えたオスはしっぽを咬みちぎってしまうことがよくあります。損傷部位の治療として断尾をしてエリザベスカラーの装着をしますが、同時に去勢手術をすることが推奨されています。写真は噛みちぎったしっぽの根元を断尾して縫合したものです。
フクロモモンガの去勢
本来フクロモモンガは集団生活をしているので、単独飼育されているとストレスで自咬症がよく見られます。特にオスで頻発し、四肢や生殖器を傷つけてしまいます。自咬症の解決策のひとつは去勢手術であるとの報告があります。もちろん、繁殖をさせない目的での去勢手術も行います。
フクロモモンガの裂傷
フクロモモンガは俊敏性に優れ行動範囲が広いため、狭いケージのなかではとくに体をぶつけたり落下したりしやすくなっています。また複数飼育の場合でも相性が悪いと喧嘩などで傷になってしまうことがあります。そしてフクロモモンガは自咬症が多い動物なので、その傷がさらに拡がってしまう可能性があります。小さな傷でも病院での消毒・抗生剤による治療が必要です。大きな傷は全身麻酔による縫合が必要となります。
フクロモモンガの陰茎切除
フクロモモンガは本来集団で行動する動物です。しかしペットとして飼われる場合は単独飼育が多く、ストレスが原因で自分の体を自分で傷つけてしまうことがあり、これを自咬症と言います。
自分のペニスを咬んでしまうことがよくあり、陰茎が完全に中に戻らなくなってしまいます。陰茎切除は麻酔下で行い、フクロモモンガ特有の2本の陰茎を、分かれる根元を残すかたちで切除します。カラーを装着して再び自咬しないようにします。
フクロモモンガのアポクリン腺癌
一般的に高齢の犬にできる腫瘍であるアポクリン腺癌は、便が出にくい・多飲多尿・肛門周りが腫れるなどの症状や、腰下リンパ節に転移しやすいのが特徴です。フクロモモンガの育児嚢にみられる腫瘍は極めて稀で、腫瘍自体の報告も少ないです。犬に見られるアポクリン腺癌と同様、外科摘出しても再発・転移しやすい腫瘍と考えられ、育児嚢に発生したアポクリン腺癌は乳腺由来の腺癌と考えられます。
モルモットの乳腺腫瘍
モルモットの乳腺腫瘍は雄に発生が多く、若齢でもみられます。一般的に7割が良性、3割が悪性と言われています。
治療の第一選択は外科的に摘出することです。化学療法(抗癌剤)は確立されていません。
モルモットの尿結石
上記の写真は尿道に尿石が詰まり排尿痛を呈しているモルモットのレントゲン画像です。
尿石症の発生要因としては、カルシウムや、ビタミンDの含有量の高い食餌や、飲水量の不足、不衛生な環境における細菌感染などが考えられますが、遺伝的素因も大きく考えられます。
尿石による尿路閉鎖が起きてしまいますと、排尿時に痛くて鳴いたり血尿や頻尿がみられ、食欲不振になって腸内細菌叢のバランスも崩れて消化器疾患も併発することもあります。
治療は外科的に摘出することが主とされています。自然排泄にて尿結石がなくなることもありますが、確実性が乏しく、外科的処置を遅らせることで容態を悪化させる場合があります。内科的な治療としては抗生剤や鎮痛剤の投与が考えられますが、根本的な治療ではないため、外科と内科、両方の処置をすることが望ましいとされています。
モルモットの子宮平滑筋腫
モルモットはウサギと同じように生殖器疾患になりやすい動物です。
血尿、食欲不振、腹囲膨満、左右対称性脱毛などが認められた場合には精密検査をおすすめします。
治療は外科的処置が必要になります。
モルモットの脂肪腫(多発性)
皮下組織に脂肪の塊のようにできる腫瘍を脂肪腫といいます。原因は不明ですが、良性腫瘍なので害はありません。腹部・胸部などの皮下組織に形成され、発生部位によっては支障が出ることがあります。
外科手術によって切除すれば完治しますが、しばしば再発することがあります。
皮膚に腫瘍が見つかれば、悪性皮膚腫瘍の可能性もあります。放置せず、なるべく早めに病院で検査をしましょう。