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動物別症例集 : エキゾチックアニマル 6ページ目
チンチラの皮膚糸状菌症
イヌ小胞子菌というカビの一種(真菌)によるものが感染しておこる病気を皮膚糸状菌症と言います。幼体での発生が多く、皮膚免疫能が低下している場合があります。
鼻、眼、耳のまわり、あるいは前足に脱毛とフケがみられます。特に鼻のまわりにはよく見られ、円形の脱毛が特徴的です。治療は抗真菌薬のぬり薬やの み薬を使用し、予防は清潔な環境に保つことが大切です。
プレーリードックの拡張型心筋症
左心室の拡大を伴って、徐々に心筋収縮機能が低下し、心不全を発症する心臓病のひとつに拡張型心筋症があります。3歳~4歳のプレーリードックに比較的多く疾患が発症し、症状が進行すると、胸水の貯留や肺水腫が起こってきます。拡張型心筋症では左室内径短縮率(FS)の低下がみられます。
治療法は血管拡張薬や強心薬などを用い、肺水腫・胸水の貯留がみられた場合は利尿剤などを使用します。
コツメカワウソの内部寄生虫
イタチ科の食肉類で東南アジアに生息するコツメカワウソは、最近ペットとして人気の動物で、カワウソの種類の中では最も小さい種類です。食生活は魚類、爬虫類、昆虫、甲殻類、貝類などで、ペットとしてはフェレットフードなどを食べます。食性から消化管内寄生虫が見られることもあり、食欲不振・下痢などの症状がでるようなら駆虫する場合もあります。
アメリカモモンガの脱毛
有袋類のフクロモモンガとは分類が全く異なり、アメリカモモンガはリス科のげっ歯類になります。しかし脱毛の原因は類似している点も多く、ストレス、ホルモン、感染、栄養性、季節性などさまざまな原因で起こります。
感染症などが原因の場合は抗菌薬による治療を行いますが、生活の環境や食事が原因の場合も多いため、環境・食事の改善をしてできるだけストレスを与えないような生活をさせることが重要です。脱毛の種類によっては痒がる時もあるので、自咬症などに進行する前になるべく早く診察を受けることをおすすめします。
ヒメウズラの総排泄腔脱
左の写真はヒメウズラの総排泄腔が外転して脱出してしまった写真です。
鳥の総排泄腔脱においては様々な原因がありますが、主な原因としては産卵後、卵管や排泄腔に傷や腫れが残ってしまうと、次の産卵時、イキミが持続して起きてしまうことが一般的です。
放っておくと排泄腔が腐ってしまい、過度な疼痛によるショック、壊死部からの細菌感染により、死に至るケースもあるため、早急に脱出した臓器を体腔内に戻す必要があります。
再脱出する際は、排泄腔を縫合し物理的に脱出を防止します。その際に抗炎症薬や抗菌薬で腫れや細菌感染をコントロールします。
鳥の趾瘤症(バンブルフット)
細過ぎまたは太過ぎなどの止まり木による偏った足底への負担や肥満、床が硬いなどが主な原因で起こる病気を趾瘤症といいます。すべての鳥類でみられ、生活環境の改善がないと、細菌感染を起こして痛みにより立てなくなってしまいます。
生活環境などの根本的な改善が必要ですが、細菌感染や疼痛などには抗生物質や鎮痛剤などの治療法があります。