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動物別症例集 : エキゾチックアニマル 9ページ目
マツカサトカゲのダニ
マツカサトカゲはオーストラリアを代表する爬虫類です。WC(野生採集)個体では、よく鱗と鱗の間にダニがみられます。
診断は、皮膚の掻爬検査で成体や卵を検出します。
治療は、ダニ駆除薬(イベルメクチン)の注射を週1回、計4~5回行います。
ボールパイソンの水疱病
概要
ヘビ類に多く見られる皮膚病で、水疱症、小疱性皮膚炎、壊死性皮膚炎、スケールロットなど、様々な名称があります。
原因
細菌感染が皮膚に成立すると発症します。
ダニや寄生虫感染、免疫低下などの内的要因と、ケージ内の多湿や換気不足、不衛生、ストレスなどの環境要因が関係することがあります。
症状
主に腹部の皮膚が赤くなったり、水ぶくれを形成し、それがはじけて潰瘍になったりします。
重度になると敗血症を引き起こし、命にかかわることもあります。
治療法
抗生物質の投与と患部の消毒がメインの治療法になります。
症状に応じて外用薬(塗り薬)を処方することもあります。
また、飼育環境の見直しも非常に重要です。
コーンスネークの尿酸結石による便秘
爬虫類が持つ総排泄孔という器官は排便、排尿、生殖(産卵など)の3つの機能を持ちます。
細長い身体を持つヘビは、尿と同時に作られる尿酸結石を詰まらせて便秘を引き起こしやすい動物です。
水分不足、運動不足、温度不足(パネルヒーターの上でじっとしている)などが尿酸結石による総排泄孔を詰まらせる原因として挙げられます。
便秘を引き起こしてしまうと食欲の低下などにつながります。
詰まった尿酸結石の取り出し方は、総排泄孔付近を押して出す方法、器具を総排泄孔に挿入して取り出す方法、手術による摘出などがあります。
日頃から記録をつけるなどして、正常に排便できているか観察してあげることが重要です。
カメの卵胞うっ滞
卵胞という卵のもととなるものがカメなどの爬虫類の卵巣では常に作られ、通常はそのまま退縮したり卵となって排出されます。
そのサイクルが何らかの原因で崩れてしまうと、卵胞が卵巣や卵管に大量にうっ滞した状態になります。
卵胞がうっ滞すると、他の内臓が圧迫されてしまい元気や食欲の低下、直腸脱や卵管脱などの症状を引き起こしてしまいます。
卵胞は殻が作られる前の卵であるため、特に甲羅をもつカメの場合、レントゲンで確認できないことも多く、診断には腹部のエコー検査が用いられます。
甲羅を開いて卵胞を含めた卵巣・卵管摘出する外科手術が治療法としては推奨されています。
また、手術が難しいような症例の場合はホルモン製剤を用いた内科療法も試されています。(爬虫類の卵胞鬱滞におけるリュープリン治療の可能性)