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動物別症例集

ヘビの皮膚疾患

皮膚病変を主訴としたセイブシシバナヘビです。
本症例は体表に潰瘍と発赤を認め、感染性の皮膚炎が疑われます。

感染症の原因となる細菌や真菌、ウイルスは主に環境中や個体内外に常在菌として存在するもので、環境ストレスや栄養障害、基礎疾患の存在などによって個体の全身状態が低下した時に日和見的な感染を起こすことが多いです。
進行すると膿瘍やマウスロッド(口内炎)、敗血症を伴うこともあり、重症化すると死亡する可能性があります。

感染が疑われる個体は皮膚の消毒と併せて、適切な抗生物質の投与や全身状態の補正、飼育環境の改善を行うほか、接触による水平感染も認められているため、同居の動物がいる場合には隔離をする必要があります。

ハムスター イエダニ寄生

ハムスター イエダニ寄生

ハムスターにイエダニが寄生してしまうことはたまにあります。
少数の寄生であれば平気で活動するのですが、多数寄生してしまった場合には貧血をおこして状態が悪くなってしまうこともあります。

イエダニを疑うような小さな粒がハムスターの体の上を動いている場合には、顕微鏡などでしっかり確認するために病院に連れてきてもらう必要があります。
イエダニ寄生が確認できた場合には、ハムスター本人や近くにいる他の動物に駆虫薬を使用したり、周辺環境からもダニを駆虫するために飼育設備を洗ったり捨てられる物は捨てたり、動物を避難させた上で部屋全体の燻蒸を行ったりして対処します。

また、イエダニはヒトからも吸血を行うこともあるので、自分たちの健康のためにも発見しだい対処することをオススメします。

いぬ 異物摘出(内視鏡)

いぬ 異物摘出(内視鏡)

いぬは異物を食べることが良くあります。
体にとって害とならないものであればまだいいのですが、場合によっては毒物や鋭利で体内を傷つける可能性のあるもの、ひも状で腸が引き攣れる可能性のあるものなど危険なものを食べてしまうこともあります。

異物を食べてしまった時には出来るだけすぐに病院に連れてきてもらう必要があります。
時間があまり経ってなければ、お薬で吐かせる処置が出来たりすることもありますが、状況次第では麻酔をかけて内視鏡をしたり、体を切って取り出したりしなければならないこともあります。

写真のいぬは、遊びに使うボールを丸のみしていたり、何かのプラスチック容器を食べていましたが、内視鏡で無事に摘出することが出来ました。

トカゲ 口の腫瘍

トカゲ 口の腫瘍

トカゲでは一般的にマウスロット(口の炎症)が多いと言われています。
しかし中には炎症以外にも恐い病気が潜んでいることもあります。

このフトアゴヒゲトカゲさんも、マウスロットとしての治療に反応がなかったため精査を目的として、麻酔下でしこりを切り取って検査に出すと腫瘍(線維肉腫など)という診断でした。

エキゾチック動物さんの腫瘍疾患などはまだまだ治療が発展途上な分野ではありますが、オーナーさんと話し合いの上、積極的に切り取っていくのか、化学療法(抗がん剤)をするのか、放射線を試してみるのかなど検討させていただきますので、ご相談いただければと思います。


うさぎ 陰嚢ヘルニア

うさぎ 陰嚢ヘルニア

うさぎさんは他の哺乳類さんと違って、成長した後でも精巣が陰嚢に入ったり、体の中に戻ったりします。
陰嚢ヘルニアでは、その穴を通じて体の中の臓器が陰嚢に落ちてしまいます。

膀胱が陰嚢に落ちて挟まってしまった、うさぎさんでは尿が出にくいなどの症状が出ており、
手術で膀胱を戻して穴を塞ぎました。
術後は普通に尿も出るようになり、無事治ってよかったです。

ヘルニアは体の一部が膨れることで気が付くこともある病気なので、定期的な健康診断で獣医による触診を受けたり、家でも細めに体を触って変なところがないか注意してあげると良いと思います。

トカゲ コクシジウム

トカゲ コクシジウム


元気食欲の低下を主訴に来院されるトカゲさんで便検査を行うと出てくることもあり寄生虫の一種です。

体重が減ったり、嘔吐したりすることもありますが、無症状で健康診断の時に出てくることもあります。

治療には飲み薬を使用することができますので、健康診断などでうんち検査をして早期発見することが理想です。

リクガメ 陰茎脱

リクガメ 陰茎脱

陰茎が元に戻らなくなって、出っぱなしになってしまったリクガメさんです。
出っぱなしになると、傷ついたり壊死したりするため元に戻らない場合は外科的な処置が必要にもなる状態です。

根本的な原因として、同居に噛まれていただとか、お腹の中に異常があるとかがあればそちらに対する検討のため、検査が必要となります。
また、似たような所から出る臓器として、腸だとか、メスであれば卵管だとかもあるため、しっかり区別する必要もあります。

ねこ 心臓病

ねこ 心臓病

ねこちゃんにも心臓病があります。
が、犬に比べるとかなり分かりにくいです。

心臓の雑音が無くても心臓病のこともありますし、心臓病の種類もいくつかあります。
また、症状としてほとんど気付かれない状態から、血栓ができて急死してしまうこともあるので怖い病気の一つです。
多様な猫の心臓病を検出するためには、聴診、画像検査の他にも血液検査や血圧測定・心電図などいろんな検査を組み合わせる必要があります。


画像を使わせてもらっているねこちゃんも
症状は何もない状態でしたが、健康診断すると心臓病が見つかったという状態でした。
分かりにくい心臓病を早めに検出するためにも健康診断は大事ですね。

ねこ アレルギー性皮膚炎

ねこ アレルギー性皮膚炎

ねこちゃんに痒みを引き起こす病気の一つです。
耳や目、首回りなど、頭部周辺に症状を出すことが多く、脱毛したり、赤くなったり、お肉が盛り上がったように見えたり様々な見え方をします。

アレルギーの診断には、
他の痒みの原因ではないことを確認したり、アレルギーの原因として、ノミや食物などの抗原が関係しているのかチェックしたりすることが必要になります。

また、アレルギー疾患で明確な抗原までを認識できなかったものとして「非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎」というものもあります。

多様な症状を示すアレルギー性皮膚炎ですが、
痒いのはやっぱり可哀そうなので、食事の変更やお薬で改善できるといいですね。

いぬ 骨盤骨折

いぬ 骨盤骨折

いぬに大きな力が加えられた時、骨盤が折れてしまうことがあります。
具体的には、蹴られたり、上層階から落下したり、車にはねられたりなどです。

このような事故が起こってしまった場合は、骨折の有無に限らず、他の内臓器にも異常が出ていないか調べる必要があります。

幸いにも他の臓器に異常が無ければ、この症例のように骨折部にプレートを固定する手術で治療できることもあります。
他の臓器に異常がある場合には、状況次第ですが入院治療で状態の安定化をはかってから手術に臨んだほうがリスクが少ないこともあります。

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