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猫の皮膚型肥満細胞腫
肥満細胞が腫瘍化したものを肥満細胞腫といい、皮膚型と内蔵型があります。皮膚の腫瘍の中で2番目に多く、顔や首や耳介といったところに発生しやすいです。治療の第一選択は外科的切除で、皮膚型肥満細胞腫は良性の挙動を示すことが多いようです。
猫の横隔膜ヘルニア
胸腔(心臓や肺が入っているところ)と腹腔(肝臓や腎臓や腸などが入っているところ)とを区切っている横隔膜というところが何らかの原因で裂けて、腹腔の 臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気を横隔膜ヘルニアといいます。症状としては呼吸が苦しい、じっとしていて動かない、嘔吐、下痢といった症状を起こすこ とがあり、先天性や交通事故などの外傷が主な原因です。
治療としては、交通事故などの外傷性の場合は、身体の状態を安定させた後外科的に整復します。先天 性で無症状の場合は経過観察とし、何か症状が出た場合は外科的整復が一般的ではありますが、先天的な場合横隔膜自体が存在しないことが多いので、手術をす ることが出来ない、整復してもすっかり元に戻すことが出来ない場合があります。
猫の皮膚糸状菌症(真菌性皮膚炎)
皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)の感染を原因とする感染症で、表皮の角質層、 被毛、爪において増殖する病気を皮膚糸状菌症といいます。環境(土壌)からまたは他の猫との接触により感染し、子猫、老齢猫あるいは何らかの疾患を持ち免 疫機能が十分でない猫で発症しやすくなります。症状は、顔、耳、四肢の一部分などにフケやかさぶたが見られるようになり、円形などの脱毛ができます。
また 脱毛部分を掻く動作なども見られるようになります。治療には、抗真菌薬の内服やローションや軟膏などの塗布が行われ、抗真菌薬の入ったシャンプーで薬浴を 行うこともあります。
猫(スコティッシュ)の骨関節症
猫の骨関節症は、動作時に困難と痛みを伴う変形性の関節疾患です。主に中年期 から高齢期に見られますが、若年層でも発症することがあります。スコティッシュホールドは遺伝的に発症することが知られています。
変形性骨関節症は完治す る病気ではありませんが、体重制限・適度な運動・内科的治療(鎮痛消炎剤など)などで症状を緩和できる場合があります。