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動物別症例集 12ページ目

猫の皮膚型肥満細胞腫

肥満細胞が腫瘍化したものを肥満細胞腫といい、皮膚型と内蔵型があります。皮膚の腫瘍の中で2番目に多く、顔や首や耳介といったところに発生しやすいです。治療の第一選択は外科的切除で、皮膚型肥満細胞腫は良性の挙動を示すことが多いようです。

猫の尿道閉塞

雄の猫でよくみられる尿道閉塞は、成猫から老猫まで様々な年齢で起こります。原因は色々あり、慢性的な膀胱炎が続いて尿道が腫れたり、尿道に結石や栓子物 がつまったりすることによって閉塞を起こします。

尿道閉塞の解除方法としては、水圧をかけて閉塞物を膀胱内に押し戻したり、尿道にカテーテルを挿入したり して解除しますが、それができない場合は麻酔をかけた尿道切開などが必要になります。

猫の鼻腔内腫瘍

猫 で悪性度の高い腫瘍として鼻腔内腫瘍がありますが、犬より発生は少ないです。まれに若い猫でも見られますが高齢の猫に多いです。

種類は腺癌、リンパ腫、扁 平上皮癌などがあり、症状としては鼻汁、くしゃみ、鼻梁部の腫脹、鼻出血などがあります。治療法は放射線療法、化学療法などがあり、腫瘍の種類によって 様々です。この写真の症例はリンパ腫です。

猫の異物

異物を誤飲誤食する猫は比較的よく見られ、若い猫で特に多く見られます。表面がツルツルしているものやサイズが小さいものでは便と一緒に出てきますが、表面 がデコボコしたもの、細長いもの、サイズが大きいものなどは、のど・食道・胃・腸などにつまったりする危険があります。
してはいけないものや催吐 処置で出ないものは全身麻酔下での摘出手術が必要となります。内視鏡で摘出する方法、開腹手術で摘出する方法があります。

猫の横隔膜ヘルニア

胸腔(心臓や肺が入っているところ)と腹腔(肝臓や腎臓や腸などが入っているところ)とを区切っている横隔膜というところが何らかの原因で裂けて、腹腔の 臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気を横隔膜ヘルニアといいます。症状としては呼吸が苦しい、じっとしていて動かない、嘔吐、下痢といった症状を起こすこ とがあり、先天性や交通事故などの外傷が主な原因です。

治療としては、交通事故などの外傷性の場合は、身体の状態を安定させた後外科的に整復します。先天 性で無症状の場合は経過観察とし、何か症状が出た場合は外科的整復が一般的ではありますが、先天的な場合横隔膜自体が存在しないことが多いので、手術をす ることが出来ない、整復してもすっかり元に戻すことが出来ない場合があります。

猫の会陰尿道廔

尿道炎や尿石症など何らかの原因で尿道が閉塞すると排尿困難になり、この状態が24時 間続くと命に関わることになります。特に雄猫に好発し、尿道にカテーテルを入れて閉塞を解除し、内科的治療や食餌療法などで症状は改善しますが、再発を繰 り返す場合には外科手術が適応になります。

狭い陰茎尿道部分を切り取り、比較的広い骨盤尿道から直接排尿できるように尿路を作り替えてしまう会陰尿道瘻術 という手術です。術後に尿道開口部が感染しやすいために適切な管理が必要となります。

猫の皮膚糸状菌症(真菌性皮膚炎)

皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)の感染を原因とする感染症で、表皮の角質層、 被毛、爪において増殖する病気を皮膚糸状菌症といいます。環境(土壌)からまたは他の猫との接触により感染し、子猫、老齢猫あるいは何らかの疾患を持ち免 疫機能が十分でない猫で発症しやすくなります。症状は、顔、耳、四肢の一部分などにフケやかさぶたが見られるようになり、円形などの脱毛ができます。

また 脱毛部分を掻く動作なども見られるようになります。治療には、抗真菌薬の内服やローションや軟膏などの塗布が行われ、抗真菌薬の入ったシャンプーで薬浴を 行うこともあります。

猫(スコティッシュ)の骨関節症

猫の骨関節症は、動作時に困難と痛みを伴う変形性の関節疾患です。主に中年期 から高齢期に見られますが、若年層でも発症することがあります。スコティッシュホールドは遺伝的に発症することが知られています。

変形性骨関節症は完治す る病気ではありませんが、体重制限・適度な運動・内科的治療(鎮痛消炎剤など)などで症状を緩和できる場合があります。

猫の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、「開放性」と「閉塞性」に分けられます。開放性では膿が外陰部から排泄され、気付くことが多いですが、閉塞性では気付きにくく重症化します。

治療は、卵巣・子宮全摘手術です。ショック状態にある場合には、状態を安定させるために点滴や抗生剤の投与を行います。
若いうちに避妊手術を行えば、子宮蓄膿症だけでなく乳腺癌の発症を予防することができます。

猫の縦隔型リンパ腫

猫白血病ウイルス(FeLV)の感染が関与し、FeLV陽性の若齢の猫に発症することが多いと言われています。
元気消失、食欲・体重の低下、嘔吐、下痢が見られます。胸水が溜まると咳、呼吸困難、チアノーゼなどの呼吸
器症状が見られます。

治療は抗癌剤を用いた化学療法が行われます。胸水が溜まって呼吸困難の場合は、胸水を抜去します。
予防としては、発症に関与するFeLVに感染しないようにワクチン接種を行い、室内飼いにして、感染の可能性を
できるだけ減らすことが重要です。

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