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動物別症例集 16ページ目

犬の前十字靭帯断裂

前十字靭帯断裂とは、大腿骨と脛骨をつなぐ靭帯が切れてしまう状態です。

事故や激しい運動などによって急激な圧力が加わることが、前十字靭帯断裂の原因となります。また、老化による靭帯の脆弱化、肥満による膝関節への負担の増加なども原因となります。

治療方法は安静にして抗炎症薬で炎症を抑える内科療法と、切れた靱帯の代わりに膝関節の動きを安定化するための手術を行う外科手術があります。

予防として、日頃から激しい運動は避け、食事管理を行って肥満させないことが重要です。

犬の潜在精巣

犬の精巣は、出生時は腹腔内にあり、通常は生後30日ほどで陰嚢内に下降してきます。
潜在精巣とは、精巣が片側または両側とも陰嚢内に下降せず、腹腔内または鼠径部に停留することをいいます。別名陰睾(いんこう)ともいわれます。遺伝するため、繁殖に用いないことが重要です。

また、潜在精巣は正常な精巣と比べて約13倍も腫瘍化しやすいというデータがあります。精巣の腫瘍は悪性のものも報告されています。
精巣が腹腔内にある場合は開腹手術になってしまいますが、早めの去勢手術を腫瘍化しないうちにおすすめします。
当院では生後半年頃での去勢手術を推奨しています。ワクチン接種とあわせてご相談ください。

犬の肛門周囲腺腫・肛門周囲腺癌

去勢をしていないオスの老犬に多く見られる腫瘍で、その多くは良性の肛門周囲腺腫です。一方、メス犬の場合は悪性の肛門周囲腺癌が大部分になります。これは肛門周囲腺癌がホルモン依存性ではないためです。

治療はどちらも腫瘍を摘出します。去勢も同時に行います。予防は若いときに去勢をすることです。

犬のマイボーム腺腫

マイボーム腺とは眼瞼(まぶた)の油脂を分泌する腺のことをいい、高齢犬ではマイボーム腺が腫瘍となって眼瞼の表面にイボ状に突出し、これをマイボーム腺腫と呼びます。小さくなることはなく、徐々に大きくなるのが特徴です。

マイボーム腺腫の弊害として角膜炎や角膜潰瘍を起こし、目ヤニ・流涙等が悪化し、ひどい場合には失明することもあります。

治療としては内科療法で治ることはほぼないので、外科的に切除をします。

犬の耳血腫

耳介に分泌液や血液がたまり、耳が膨らんだ状態になります。膨らんだ耳は熱をもち、痛みや痒みを伴います。

原因は耳ダニ感染症や外耳炎などによって、耳を掻いたり頭を強く振ったりすることで血管が破れるためです。また、耳を打撲したり、他の犬に咬まれたりしたときにも起こります。

治療は切開手術で分泌液や血液を排出させ、液を排出させた穴を縫い合わせます。

犬の断尾(日本テリア)

一般的に、生後2~5日程度の子犬に対して予防医学的観点や美容目的で断尾が行われます。

断尾の方法は、結紮法と切断法のふたつがあります。

犬の僧帽弁閉鎖不全(MMVD)

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、老齢の小型犬に多くみられる心臓病で、早い場合には5~6歳で症状が現れることもあります。僧帽弁(心臓の中にある血液の逆流を防ぐ弁)が肥厚し、弁がしっかり閉じなくなることで生じます。

症状は、咳が出る、疲れやすい、運動をしたがらないなどです。また、病状が進行すると肺水腫を引き起こし、呼吸困難となることもあります。

犬の橈尺骨骨折

トイプードル、チワワ、ポメラニアンなどのトイ犬種といわれる小型犬やイタリアン・グレーハウンドなどの前肢は細いため衝撃に弱く、ソファから飛び降りて骨折してしまったり、抱っこ中に落下して骨折してしまうケースが多いです。
前腕部は橈骨と尺骨から構成されますが、それらをまとめて骨折することを橈尺骨骨折とよびます。

骨折の程度にもよりますが、通常は手術を行って体内にプレートを埋め込んで骨を固定する必要があります。
ヒビ程度であればギプスなどの外固定でも治癒することがあります。

後日レントゲン撮影で骨の癒合が確認できたら、再度手術をしてプレートを摘出します。

ちょっとの不注意で二度も手術をするような大掛かりな事態になってしまいますので、高いところには登らない、高いところから飛び降りない、などのしつけを普段から行っておくことが重要です。

犬の椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは人と同じように椎間板が飛び出で、脊髄を圧迫している病気です。
小型犬に多く発症しやすく、コーギー、ビーグル、ダックスフンド、シーズーなどになりやすいといわれております。

歯の病気

犬が高齢化していくとよくあるのが歯周病です。「ワンちゃんのお口がくさい」と感じたら注意が必要です。茶色い歯石が歯の表面を覆ってたりしてませんか?また、ハグキが赤くはれたりしていませんか?歯石によって歯肉が侵される病気で5歳以上のわんちゃんの実に8割以上が歯周病とも言われています。

そして、匂いだけではなく食事にも影響がではじめます。ワンちゃんがごはんを食べるときに痛みを感じたり、ひどくなると細菌が血管から進入して感染症を引き起こすことも・・・。

そうなると歯を抜かなければならなくなります。 歯磨きと定期的な歯科検診で歯石を除去し、歯肉炎の予防をしましょう。

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