動物別症例集
ヘビの皮膚疾患
体表に潰瘍と発赤、総排泄腔付近の腫脹を認める。
皮膚病変を主訴としたセイブシシバナヘビです。
本症例は体表に潰瘍と発赤を認め、感染性の皮膚炎が疑われます。
感染症の原因となる細菌や真菌、ウイルスは主に環境中や個体内外に常在菌として存在するもので、環境ストレスや栄養障害、基礎疾患の存在などによって個体の全身状態が低下した時に日和見的な感染を起こすことが多いです。
進行すると膿瘍やマウスロッド(口内炎)、敗血症を伴うこともあり、重症化すると死亡する可能性があります。
感染が疑われる個体は皮膚の消毒と併せて、適切な抗生物質の投与や全身状態の補正、飼育環境の改善を行うほか、接触による水平感染も認められているため、同居の動物がいる場合には隔離をする必要があります。